フォークソング・クロニクル

うたと文化の一万年史

第9回 1966年、最初のフォークシンガー登場!そしてあらゆる価値観の音楽が交差する

1966年、最初のフォークシンガー登場!そしてあらゆる価値観の音楽が交差する ザ・ビートルズが来日した1966年。ウルトラマンが放送開始、サッポロ一番しょうゆ味が発売、週刊プレイボーイが発刊。常磐ハワイアンセンターに夕陽が沈むとき、煙草のわ…

第8回 1965年、最初のシンガーソングライター登場!美輪明宏が見た「世界」

父ちゃんのためならエンヤコラ 母ちゃんのためならエンヤコラ もひとつおまけにエンヤコラ 今も聞える ヨイトマケの唄 今も聞える あの子守唄 工事現場の ひるやすみ たばこをふかして 目を閉じりゃ 聞えてくるよ あの唄が 働く土方の あの唄が 貧しい土方の…

第7回 1964年、フォークソングは詠み人知らず?!マヒナスターズとボブ・ディラン!

富士の高嶺に降る雪も 京都先斗町に降る雪も 雪に変わりはないじゃなし とけて流れりゃ皆同じ 「お座敷小唄」詞:不詳 曲:陸奥明 唄:和田弘とマヒナスターズ、松尾和子 ビートルズが初めてアメリカの土地を踏み、マルコムXがアフロアメリカン統一機構を結…

第6回 1963年、長崎外人墓地を唄う春日八郎、東京五輪を唄う三波春夫、海の向こうはワシントン大行進!

恋の涙か 蘇鉄の花が 風にこぼれる 石畳 うわさにすがり ただひとり 尋ねあぐんだ 港町 ああ ああ 長崎の女 「長崎の女」詞:たなかゆきを 曲:林伊佐緒 唄:春日八郎 昭和38年。レコードプレーヤーに針を落とせば、春日八郎が長崎外人墓地に物語を彩らせて…

第5回 1962年、て~なもんや!街道筋の藤田まこととニューヨークのボブ・ディラン

雲と一緒に あの山越えて 行けば街道は 日本晴れ おいら旅人 一本刀 「お控えなさんせ」「お控えなすって」 腕と度胸じゃ 負けないけれど なぜか女にゃ チョイと弱い 「てなもんや三度笠」詞:香川登志緒 曲:林伊佐緒 唄:藤田まこと ジャニーズ事務所がつ…

第4回 1961年、浄土真宗はジャズ!?クレージーキャッツと高度成長

チョイと一杯のつもりで飲んで いつの間にやらハシゴ酒 気がつきゃホームのベンチでゴロ寝 これじゃ身体にいいわきゃないよ 分かっちゃいるけどやめられねぇ 「スーダラ節」詞:青島幸男 曲:萩原哲晶 唄:ハナ肇とクレージーキャッツ 「善人なほもて往生を…

第3回 1960年、哀しみの60年安保!短刀持った山口二矢と新聞配った高田渡

アカシアの雨にうたれて このまま死んでしまいたい 夜が明ける 日がのぼる 朝の光りのその中で 冷たくなったわたしを見つけて あの人は 涙を流してくれるでしょうか 「アカシアの雨がやむとき」詞:水木かおる 曲:藤原秀行 唄:西田佐知子 マメ科ネムノキ亜…

第2回 1957年、東京だョおっ母さん!高田渡8歳、東京へ!

やさしかった兄さんが 田舎の話をききたいと 桜の下でさぞかし待つだろ おっ母さん あれが あれが九段坂 逢ったら泣くでしょ 兄さんが 「東京だョおっ母さん」詞:野村俊夫 曲:船村徹 唄:島倉千代子 「左翼こそ靖国へ行け」と、平岡正明は云った。「昭和ジ…

第1回 1949年、サッチモ・ひばり・カンカン娘!高田渡うまれる!

マレビト。折口信夫が提示した、時空を超えて別次元の世界から訪れる霊的存在。 あるいは遊行者。定住できない社会的理由が夢の観念のもとに逆転していく。どこから現れたのか、いったい何者なのか、知る必要はない。フォークシンガー高田渡は、自らの存在が…